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(株)岸本組 玄海原発に依存した企業の実態(5)
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2011年7月11日 09:17

<ツケがまわってきた>

 3月11日に起こった東北大震災に伴う福島第一原発事故は、人類が制御できると過信した原子力発電に対する考え方を改める機会となった。同事故に関する報道が連日行なわれ、日本中に放射能汚染への不安が広がっている。

岸本組 このため、玄海原子力発電2、3号機の再稼動に世論は慎重になっている。玄海町長の岸本英雄氏は、早々とメディアに対して稼動同意の立場を表明していた。だが、6日に九州電力の「やらせメール」事件が発覚。その直後岸本氏は稼動同意を「一旦撤回」した。現在、国会を始め論議を呼んでいるが、このまま稼動できないと潤沢な原子力マネーが地元に流れなくなる可能性が高く、原発利権組や玄海町は厳しい立場に立たされることになる。

 このままでは玄海町を始めとした官庁関係や、九電や関係会社の西日本プラントを重点的な営業先に挙げていた岸本組は原発関連の利権に携わることが出来なくなる。無借金経営、自己資本比率約70%、約24億円を有し月商約7カ月分の現金預金をもつなど固い経営基盤を持つ同社だが、玄海町や九電などからの原子力マネーが縮小傾向となると同社の屋台骨は揺らいでいくだろう。

 また、玄海町長との癒着構造が取り出されているのに加えて、九電以外の民間受注が不得意な同社にとっては、今後ますます逆風に晒されていくだろう。言い換えれば、過去に甘い利権を吸い続けたツケがまわってきたといえる。

(了)

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